説明文・論説文の読解

説明文・論説文の出題パターン

投稿日:2018年4月1日 更新日:

ここでは説明文・論説文の出題パターンについて説明します。国語に限らず試験では「何が問われているのか?」を理解することから始まります。

たとえどんなに文章の内容を理解できていたとしても設問の意図を正しく把握して問われていることに正確に答えなければ正解にはなりません。

また、試験では問われることはある程度決まっています。ですからそれをあらかじめ整理しておくことが正しく早く解答するための土台となります。それでは順に説明していきます。

説明文・論説文でよく問われる出題6パターン

説明文・論説文の出題パターンは大きく分けて次の6つに分類することができます。(※文章内の漢字や慣用句などの語句や文法の出題は除いています。)

1.筆者の主張を問う問題
例)傍線部1とありますが、筆者はどのように述べていますか。

2.筆者の主張の理由を問う問題
例)傍線部2とありますが、なぜ筆者はそのようにいっているのですか。

3.具体例を問う問題
例)傍線部3とありますが、それについて筆者が例としてあげているものは何ですか。

4.文章の話題や大意を問う問題
例)この文章の内容に合っているものを次から二つ選び記号で答えなさい。

5.指示語が指している内容を問う問題
例)傍線部5「この」が指している内容を文章中の言葉を使って答えなさい。

6.空欄補充(接続詞等)の問題
例)文章中のA~Eに当てはまる言葉として最も適当なものを選び記号で答えなさい。

筆者の主張を問う問題

説明文や論説文は基本的に筆者が自分の意見を述べるために書かれている文章です。ですからこのタイプの問題に対しては筆者の言いたいことを答える必要があります。

このタイプの設問で重要なことあくまで筆者の意見を答えなくてはいけないということです。一般論や常識、社会通念といったものは一切関係ないですし、事実・真実である必要もありません。

あくまで筆者がどのように文章中で書いているのか?ということのみが問われています。文章中に書かれている内容を言い過ぎても言い足りなくても不正解です。ただ、かならずしも一字一句同じでなければならないというわけではありません。

このタイプの問題は設問が「どのように言っていますか」や「何と述べていますか」といった文末になっていることが多いですので識別の参考にしてください。また、このタイプの問題で解答になる可能性の高い文は次の3箇所になります。

【筆者の主張を問う問題で解答になる可能性の高い文】
1.強調文
2.逆接(しかし、だが など)の接続詞で始まる文
3.換言(つまり、ようするに など)の接続詞で始まる文

以上の3箇所を優先的に探していくと正解にたどりつく可能性が高まります。

筆者の主張の理由を問う問題

説明文や論説文では筆者の主張が主な内容です。主張をする以上は根拠や理由も説明しておりそれを読み取るパターンの設問です。設問は「なぜ~ですか。」や「どうして~いえるのですか。」といったいわゆる疑問形の形で問われるので設問パターンの識別はさほど難しくありません。

記述形式の場合は「から」、「ので」、「ため」といった文末の解答にする必要があります。また、抜き出し形式でも中途半端なところでやめず「~から」の部分まで抜き出します。このタイプの問題で解答になる可能性の高い文は次の4箇所です。

【筆者の主張の理由を問う問題で解答になる可能性の高い文】
1.強調文
2.筆者の主張が書かれている文の前後
3.「から」、「ので」、「ため」といった言葉が入っている文
4.理由の接続詞(なぜなら・というのは など)で始まる文

以上の4箇所を優先的に探していくと正解にたどりつく可能性が高まります。

具体例を問う問題

具体例は筆者の考えや意見を詳しく、より分かりやすく説明するために使われます。ただ、具体例はあくまで分かりやすく説明するために書かれているだけで問題文を読むときにはこの具体例の部分をしっかりと読む必要はありません。

具体例がでてきたら「ここから具体例だな」と具体例の始まりをしっかりと意識することと、かならず具体例の終わりを確認することが大切です。このタイプは「具体的に」や「例があげられている」といった言葉が設問で使われやすく迷うことなくすぐに判断できると思います。

解答になりやすい文はまぎれもなく具体例の文、もしくは具体例段落です。具体例の見つけ方は「具体例を見つけ出す」をご参照ください。

文章の話題や大意を問う問題

筆者が文章全体を通してどんなことを書いているのか?何が言いたかったのか?、また、文章中では何と書かれているのかといったことを問う設問です。このタイプの設問は話題や結論を把握しておくことや何を説明するために使われた具体例なのかを読み取って理解する必要があります。

中学入試では第一段落で話題を示し最終段落で結論をまとめるという文章が多いのでこのタイプの設問はいきなり解くのではなく第一段落と最終段落を再度確認してから解くようにすると主観や思い込みで解答することが減り正解に近づきやすくなります。詳しくは「話題と結論を読み取る」をご覧ください。

指示語が指している内容を問う問題

文字通り指示語が一体なにを指しているのかを答える問題です。このタイプの問題は文章の内容を理解していなければ解くことができないということはなく、ただ単に文や言葉のつながりが分かっているのか?ということが問われています。

基本的なルールとして、指示語が指している内容は指示語より前にあります。もちろん指示語よりも後ろにあるもの指しているケースも存在することは存在するのですが、中学入試で問われることはまずないと考えていいと思います。

指示語というものは繰り返しをさけるために使用されるものですから、正しい解答の場合は指示語を当てはめたときにかならず意味の通じる文になります。当てはめてみて意味が通じなかった場合はその解答は誤っているということです。指示語の設問ではかならず解答を当てはめて確認する習慣をつけるようにさてください。

空欄補充(接続詞等)の問題

問題文中の空欄に接続詞や適切な言葉もしくは一文を入れる問題です。接続詞の場合は大前提として接続詞の種類と役割が頭に入っていないと解けません。ですからそもそもの知識がなければ、まずそれを覚えることから始める必要があります。

また、適切な言葉を入れるタイプの場合は前後の文と同内容もしくは正反対の文があり、その文を手掛かりにして空欄に入る言葉を選んだり探したりするケースがほとんど。したがって同意語(類義語)や反対語(反意語)の知識もある程度ないと解けません。語句が分からない解けないということもありえますので典型的な同意語・反対語についてはしっかりと学習しておくようにしてください。

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