語句・文法解説

品詞の種類と識別

投稿日:2018年2月23日 更新日:

品詞というのはそれほど単独で試験に出るわけではないのですが、知らないと文章を読んだり文中から答えを探したりするときに困ったりします。念のため品詞の基本的なことについて説明しておきます。

単語の性質とはたらき

文をつくる言葉のまとまりを文節といい、さらに文節が意味のうえで最も小さく分けたものを単語といいます。そして、単語を性質やはたらきによって分けたものを品詞といいます。

自立語と付属語

単語のうち、その語だけで一つの文節をつくることができる単語を自立語といい、他の単語がないと文節をつくれないものを附属語といいます。単語には、後に続く語によって語尾の形が変わる(活用する)ものと、そうでないものがあり、分類してみるとこんな感じです。

【自立語】
・活用がある…動詞、形容詞、形容動詞
・活用がない…名詞、副詞、連体詞、接続詞、感動詞

【付属語】
活用がある…助動詞
活用がない…助詞

このうち、名詞・動詞・形容詞・形容動詞・副詞・接続詞はしっかりと覚えておいて下さい。

名詞

物や事柄の名前を表す単語が名詞で、次の4つの種類があります。

・普通名詞…広く共通に用いられる名を表すことば
(例) 人間・えんぴつ・学校など

・固有名詞… 人名・地名など特定の名を表す
(例) 横浜市・東京湾・聖徳太子など

・代名詞…人や物の名前を直接言わず、代わりに指し示す。
人称代名詞と指示代名詞がある。
(例)ぼく・わたし・きみ・彼・彼女など…人称代名詞
これ・それ・あれ など…指示代名詞

・数詞…数や量、順序などを表す。
(例) 一つ・二点・三倍など

動詞

ものの動作・存在・状態・作用などを表す単語を動詞と言います。活用があり、言い切る形は五十音の「ウ段」の音で終わります。

【動詞の種類】
1.自動詞と他動詞…それ自身の動作・存在などを表す動詞が自動詞、他に働きかける動詞が他動詞。
例)水が流れる…自動詞
水を流す…他動詞 (他動詞は「~を・・・」の形が多い)

2.可能動詞
「~することができる」という意味をふくんでいる動詞を、可能動詞という。
例) 書ける・読める・飛べる・歩ける

形容詞

ものごとの性質や状態などを表す言葉で、言い切りのときの形が「い」で終わります。

【形容詞の活用】
1.語尾が「い」となる形容詞の活用(命令形なし)
眠かろ(う)・眠かっ(た)・眠い・眠けれ(ば)
例) 赤い・広い・痛いなど

2.語尾が「しい」となる形容詞の活用
嬉しかろ(う)・嬉しかっ(た)・嬉しく(なる)・嬉しい・嬉しい(とき)・嬉しけれ(ば)
例) 美しい・新しい・優しいなど

形容動詞

ものごとの性質や状態などを表す言葉で言い切りのときの形が「だ」で終わるものを形容動詞という。(名詞に続くときは「な」)

【形容動詞の活用】(命令形なし)
静かだろ(う)・静かだっ(た)・静かだ。・静かな(とき)・静かなら(ば)
例) にぎやかだ・たいへんだ・元気だ・おだやかだ

副詞

名詞・動詞・形容詞・形容動詞・その他の副詞を修飾して意味をくわしくする言葉で、活用がなく一語だけで主語や述語になることがありません。

【副詞の種類】

状態を表す  動詞を修飾して動作などの状態を表す
例)鏡を ぴかぴかに みがく
かれは あっさりと 問題を 解いた
程度を表す  動詞・形容詞・形容動詞や、状態を表す副詞などを修飾して動作・作用・状態などの程度を表す
例)もう ちょっと 頑張りなさい
かれは とても 計算が 早い
風が たいへん 強い
呼応関係を組む 修飾する文節の形が決まっていて、話し手の気持ちを表す
例)けっして 許さない…打ち消し
たぶん 合格するでしょう…推量
まるで 本物の ダイヤモンドの ようだ…たとえ
どうか 今日のことは 忘れて ください…願望

接続詞

活用がなく、言葉と言葉、文と文などを結びつけるもの役割を果たします。読解問題で接続詞補充の問題が出ると同時に文脈をつかむ意味でも重要です。

【接続詞の種類とはたらき】

順接 前の部分の内容から当然と考えられる内容をそのまま続ける場合
例)だから・それで・それゆえ・すると・ゆえに・そこで
逆接 前のこととは逆の内容が、後にくることを表す場合
例) しかし・だが・が・けれども・ところが・でも・それなのに
説明 前のことがらに関することを後で説明する場合
例) すなわち・たとえば・つまり
補足 前のことがらに関することを後で補って説明する
例) ただし・だって・なぜなら
添加 前のことがらに後のことがらをつけたす場合
例) そして・さらに・そのうえ・それに・しかも・また・さらに・それから
並列 前のことがらと、後のことがらを同列に並べる場合
例) また・および・ならびに
選択 前と後のどちらかのことがらを選ばせる場合
例) それとも・または・あるいは・もしくは
転換 前のことがらから話題を変える場合
例) ときに・さて・では・ところで

 

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