基本的にどんな文章でも筆者が言いたいことは一つしかありません。文章が長くなるのはより詳しく説明したり理由を説明したり印税を稼いだりするためで、たった一つの言いたいことを読み取ることが文章の内容を理解することにつながります。
文章の内容を理解するためには段落ごとの要点を考えながら読むことが大事なのですが、その要点を見つけるための鍵となるものが重要語句です。
重要語句が分からないと要点もずれてしまうため、最終的に文章全体が分からなくなります。説明文・論説文では重要語句の読み取りが最も基本的ですからしっかりと読み取れるようにしてください。
重要語句になる可能性が高い言葉
重要語句は話題と非常に密接な関係にあります。例えばある文章の話題が地球温暖化だったとすると重要語句は二酸化炭素やエコといった話題をもう少し具体的にしたものが重要語句になりやすくなります。
言い換えれば話題をより具体的に示している言葉が重要語句になります。そして、重要語句である以上は文章中でなんども書かれますのでくり返し使われている言葉にはよく注意しておく必要があります。
また、話題の同意語や反対語なども重要語句になりやすい傾向があります。例えば日本語について書かれた文章であれば英語やフランス語といったものも重要語句になってくるということです。
出典にも注意しよう!
入試に使用される文章はかならず誰かしらの文章を引用しています。そのため、出典を明らかにするために著者名と題名が問題文の最後に書かれています。実はここに重要語句が書かれていることが多いのです。
なぜなら題名は文章の内容が分かるようにつけるので題名の中に重要語句が含まれてる可能性が非常に高くなっています。
過去問を見てください。こんな風に書かれています。
例:( 『記憶と食生活』 / 斉藤達也 )
ふつうこのような題名であれば環境問題について書かれていることはありえません。限りなく100%に近い確率で「食べ物が記憶との関係」についてが書かれているはずです。上のような題名であれば『記憶』や『食べ物』に関連する言葉が重要語句になるのです。
つまり、出典を見るだけで話題や重要語句が分かってしまうことも多いのです。文章は最後の題名までしっかり読むようにしてください。むしろ、文章を読む前に題名を確認してから文章を読み始めてもかまいかと思います。
重要語句から要点をまとめる
要点とは形式段落の中心的な内容のことです。一つの段落で書くことができる内容は一つと決まっているため段落ごとに一つの要点にまとめることができます。
要点はあくまで段落の内容をまとめたものです。「具体例」や「理由」、「くわしい説明」などは要点を分かりやすく説明するためのものなので要点になることはありません。形式段落の始めや終わりの文がまとめになることが多いため要点になりやすいです。そういった文がない場合には重要語句に主語や修飾語を補うことで要点になります。
形式段落ごとに文章を読んでいく
一つの段落には一つの内容しか書くことができないことを利用して段落ごとに最も重要な文(=要点)を抜き出していくと文章全体の把握が容易になります。
文章の内容がなかなか理解できない原因の一つに文章が長いということがあげられます。一つの段落はどんなに長くても10行ぐらいですから、段落ごとに読み段落ごとに要点をつかんでいけば正しく理解できるようになります。
説明文や論説文を読む際にはいきなり文章全体を把握しようとはせず、形式段落ごとに分けて1段落ごとに要点を理解していくようにしていってください。