物語文では登場人物の心の動きや行動を把握することが何よりも重要になります。 そしてそのために重要なことが同一人物の確定です。
ひとつ確認しておかなくてはいけないこととして、 登場人物が毎回同じ名前で呼ばれるとは限らないということです。
人の呼び名というのは、話し手によって変わります。
例えば、ある物語の主人公は自分のことを「わたし」といいます。
しかし、主人公の父親からは「達也」と呼ばれますし、母親からは「たっちゃん」と呼ばれるというケースです。呼び方は違えどもすべて同じ人物を指しています。
呼びかける人の立場によって人称が変わってきます。
簡単な文章であればいいのですが、複雑になると結構戸惑います。
例えば、こんな文章だとどうでしょう。
ある学校で先生同士が会話をしているとします。
「うちのクラスの生徒はぜんぜん話を聞かない。
でも先生のクラスの生徒たちは授業態度もよくうらやましいです。」
「いや、そんなことないです。私の話なんか全然聞きません。 先生を先生とも思っていない。こんど先生からもうちのクラスの生徒にがつんと 言ってやってください。」
「しかし、先生という職業も大変ですよね。ところでなぜ先生は教師になったのですか?」
どうですか?先生のオンパレードです。(笑)うまく見分けられたでしょうか?
まあここまで極端なのはないとしてもこれに近いケースのものはたまに見かけます。
いくら心情を表す表現を見つけることができても、
「誰の心情なのか」が分からなくては意味がありません。
かならす異なる人称や呼び名がでてきたらチェックするようにしてください。
そして同じ人物を指すときには矢印なり二重線なりでつないでおくようにしてください。
意外にこの「同一人物を確定する」作業が苦手なお子さんは多いです。
物語文で途中まではいい感じで読んでいたのに突如おかしくなるお子さんの場合は この同一人物の確定がおかしくなってしまうことが多いのです。
長い物語文が苦手だというお子さんをお持ちの方は
ぜひこの同一人物を確定するトレーニングをさせるようにしてください。 |