場面の変化を読み取る
物語文で話の流れを正確に読み取るには場面を読み取ることが大切です。
場面とは「時間」、「場所」、「登場人物」、「できごと」から見分けることができます。
この場面をしっかりと読み取ることが場面の変化を読み取る第一歩です。
注目するべきことは「いつ」、「どこで」、「だれが」を表す言葉や表現です。
これらが文章中で出てきたらかならず囲んで後からでも確認できるようにしておいたください。
場面を読み取る方法
物語文を読むときに次のような言葉に気をつけて読むようにしていってください。
そうすることで場面の読み取りがスムーズにいくようになっていきます。
・「時間」を表す言葉
・「場所」を表す言葉
・「人物の増減」を表す言葉
場面を正しく読み取ることができないと登場人物の心情も正しく読み取れません。
物語文は説明・論説文に比べて面白くスラスラ読めてしまいますがそこが落とし穴です。
かならず「どこで場面が変わっているのか」に注目して丁寧に読んでいくようにしてください。
時間の変化に気をつける
時間の変化を読み取るためには当たり前ですが時間描写を読み取ることが必要です。
ほとんどすべての物語文で時間描写というものはかならず書かれています。
それらを丁寧に拾っていき、時間が変わったらチェックする習慣をつけることが大切です。
・1日単位の時間…今日、昨日、明日 など
・季節や時季…春、夏、秋、冬、正月、夏休み など
・時間の経過…1年前、しばらくたって など
時間の変化を考えるときにはその物語の時間を現在と考えて、
そこから見た時に過去なのかそれとも未来なのかを考えるようにしてください。
ただし、未来とも過去とも言えな時間が存在します。
主人公の空想などですが詳しくは「物語文の内容が分からなくなったら」で説明します。
場所の移動に注目する
場所の移動は特に説明はいらないかと思います。
例えば主人公が学校にいるときの話から家に帰ったときには場面が変わります。
この例でいえば「学校」と「家」が場所にあたります。
気をつけることとしては実際に移動したのかを確認することです。
例えば、主人公の会話などで「今日学校で〜」といったように『学校』と場所が出てきても
実際にその場所(この例なら学校)にいる描写がない限り場所の移動はしていません。
場所を表す言葉がでてきているからといって無条件で移動したと考えないでください。
実際に登場人物がその場所に移動したと判断できる描写もさがすようにしてください。
人物の増減(場面への入場と退場)を整理する
少しややこしいのが人物の増減です。
これはある場面への人物の入場や退場の描写で時間の変化を読み取ることができます。
例えば、学校に登校してクラスメートと話している場面があったとして、
友人同士の会話が続き、『先生が教室に入ってきた』という描写がでてきたとします。
これが登場人物の入場です。
そして、しばらく先生の話が続き、『先生が教室を出ていった』と書かれたとします。
今度は登場人物の退場です。
少し頭の中でイメージしてください。
【友人たちと話している⇒先生が入ってきて話をする⇒先生が教室から出ていく】
実生活でこういう状況であれば確実に時間は経過しているはずです。
このように人物を場面に登場させたり退場させることで時間の経過が表現できます。
ただボーっと読んでいると気がつかないこともありますので注意して読んでください。
また、人物の入退場はかならずしも登場人物である必要はありません。
例えば主人公が公園にいる場面で「気づいたら誰もいなくなっていた」という描写があれば
時間は経過していると読み取ることがあります。
公園に人がいた状態から誰もいなくなるには一瞬ということはなく当然時間がかかります。
このように人物の増減はかならずしも登場人物とは限らないので注意してください。